3. ティラナ~カフェ文化と秘密警察の町~

朝はゆっくり起床。10時間くらい爆睡したから、超スッキリして起きた。
外の声が少し聞こえてきて、賑やかな雰囲気が伝わる。日が差し込んで、近所の様子を伺うと、野菜と果物を売っている青果店、単独で地べたに野菜を並べて売っている人、それを買っている人たち、生活感あふれる風景。

まずはコーヒー。アルバニアはカフェ文化の国。
アルバニアって、実は世界で一人あたりのカフェの数が一番多いって知ってた? すごくない?
“カフェの隣にカフェ”って感じで、そしてみんな外の席が大好き。冬の間でも外で過ごせるようにヒーターが置いてある。
そして、みんなタバコをよく吸う。葉っぱだけで量り売りされてるくらい、タバコが生活に根付いている。タバコを巻くのも、みんなめっちゃ上手。
最近はティラナでも店内禁煙の場所が少しずつ増えてるみたいだけど、ほとんどのカフェではまだ中も吸えるのが現状。

アパートの目の前にあった、小洒落たカフェmotta gardenに入ってみることにした。
中に入ると、光がさんさんと差し込んで、ゆっくりしたくなるようなソファや椅子、そしてタバコとコーヒーの香り。
普段タバコの匂いはあまり得意じゃないけど、こういう雰囲気とセットになると、なんかロマンがあって…このカフェにはロマンがあった。まあ、初日ってこともあるかもだけど(笑)。

普段はタバコ吸わないけど、外で飲んでる時とか、誰かが吸ってると欲しくなるタイプ。
いわば貰いタバコのプロ。シラフだと美味しいと思わないタバコも、場所が変われば美味しく感じてしまう不思議。
ローカルの人みたいに、朝からコーヒーとタバコを一服。馴染めた感じが嬉しかった(自己満)。

この日はまだ、ティラナで何をするか決めてなかった。
なんとなく、有名なBunk’Artの博物館には行こうと思ってたけど、すでに昼くらいだったから、まあ今日はぷらぷらしようって感じ。

近所の果物屋さんでりんごとバナナを買って、街中へと向かう。
私は中心街ではなく、ちょっと外れた場所にある宿に泊まっていた。口コミで”ローカルな雰囲気”と書かれていたのが決め手だったけど、実際に来てみたら本当にローカル感満載!
カフェ、パン屋さん、青果店、近所の食堂…生活が詰まっていて、ここにしてよかったって思った。

アルバニアは天気がよく変わるらしい。
眩しいくらい晴れてるなと思ったら、急に分厚くて暗い雲が、まるで暗黒の世界が覆いかぶさってくるみたいにやってくる。

とりあえず中心街へ!と言っても、歩いて5分くらいでNamazgah Mosque(ナマズガ・モスク)が見えてくる。
雰囲気はヨーロッパっぽいのに、その中に堂々と威厳を持って建つモスク。なんだか不思議な世界。
ここでは、1日5回アザーン(礼拝の呼びかけ)が街中に響き渡る。まるでイスラム圏にいるような感覚になる。
ただ、周りにはヒジャブなどイスラム教の服装をしている人は少なくて、私が今までに体験したイスラム圏とは少し違う雰囲気だった。

大きな木々が立ち並ぶ街中、太陽がさんさんと光を流してくれて、木漏れ日が心を癒してくれる。
少し肌寒いけど、光に当たると体が”気持ちいい〜!”って叫びたくなる、そんな最高の空気。

建物は、昔行ったウクライナのキーウを思い出した。
パステル調のピンクや黄色の建物が並び、横断歩道もパステルピンクと白のストライプ。
”こんなストライプ、壁紙にしたいな〜”なんて思いながら横断。

緑に囲まれた、素敵なサーモンピンクの建物に見惚れていたら、実はそこが博物館だったので入ってみることに。

House of Leaves Museum

House of Leaves Museumは、かつてSigurimi、秘密警察が使っていた建物。
アルバニアの独裁時代の監視や弾圧の歴史を伝える、重たいテーマの博物館だった。
私はまだあまり知識がなかったので、全ての説明を読みながら途中で調べたりして、ゆっくり2時間くらいかけて回った。

読めば読むほど引き込まれていく、知らなかった暗い独裁時代の現実。想像するだけでゾッとした。
見終わる頃には気持ちも重たくなっていて、それと同じように、分厚い灰色の雲がミュージアムを包み込んでいた。

歩き始めたら、冷たい雨が一気に降ってきた。
近くのカフェで雨宿り。外席だったけど、あったかいヒーターが私を迎えてくれた。

遅めのがっつりランチを食べたせいで、夜までお腹がパンパンだったけど…
金曜日だし、せっかくだからどこかで一杯飲みに行こうと思って、向かった先はSpy Speakeasy

ティラナ写真:https://www.tabitabitabishitemasu.com/photos-1/tirana

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