7. ベラト~二日酔いなしの奇跡とベラト城~

前日に久しぶりに、異常な量のワインと蒸留酒・Rakiをショットで飲んだので”これはやばたにえん”と思ったけれど、体は重かったものの、二日酔いにはならなかった!
その後わかったのは、アルバニアのワインは基本的にオーガニックで、防腐剤や添加物が一切入っていないということ。ペットボトルに入っていたから”怪しいワインかも”と思っていたけれど、まさかの体に優しい自然派ワインだったとは…。
ワインも見た目や価格だけで判断できぬ!

写真で見るより急坂だからね!

天気もよく、Berat Castle(ベラト城)へ向かうことに。
ベラト城は丘の上に建つ古代の要塞で、今も城壁内には人が暮らす家や教会が残っており、中世の暮らしを感じられる歴史的スポットとして有名。
徒歩で約25分、ただしその道のりは見事なまでの急坂!ぜえぜえ言いながら登っていると、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが、ゆっくりだけど普通に歩いていて…鍛えられてる…!
たまには息を切らしながら登るのも悪くないと自分に言い聞かせる。登れば登るほど、景色がどんどん気持ちよくなってくる。

要塞のゲートをくぐると、石畳の狭い通りと古い建物が立ち並ぶ。観光客も少なく、まるでタイムスリップしたかのような感覚。
人のいない路地を、ゆっくり散歩しながら歩く。
すると、どこからともなく低い男性の合唱が聞こえてきた。その音に釣られたかのように歩いて行くと、St. Mary of Blachernae Churchにたどり着いた。
近くには、おじさんが一人、要塞の向こうの景色を眺めながらぼーっと立っていた。
中に入ってみようと思ったけれど、教会は閉まっていて、Google Mapには”10時開館”とあったので、ちょうど10時だし少し待つことに。
20分ほどたっても誰も来ない。ただ、おじさんはさっきから同じ場所で、ずーっとタバコを吸っていた。かなり不機嫌そうだったけれど、今日は開くのか聞いてみることに。

すると、おじさんは無言のまま教会の方へ歩いて行き、ドアを開けた。”Youが管理人かいっ!”と心の中でツッコミを入れたくなった。
そのまま無愛想に中へ入り、掃除を始めた。

この教会は13世紀に建てられたビザンティン様式の建築で、中は少し荒れているものの、美しいフレスコ画とアイコン画が残っていた(写真を撮りたがったがNGなのでネットで見てみて)。
中に入ると、何か不思議なエネルギーを感じた。
色褪せたフレスコ画をじっと見つめていると、時が止まったような気持ちになる。ちなみに、さっき聞こえていた合唱はラジオだったけれど、教会の中で響くその音は神秘的で、美しく感じた。

ただ歩いているだけで、美しく、刺激的な街並み。そして、絶景。心が癒される。
要塞を登れる場所を見つけ、そこに座って絶景を眺めながら、本を読んだり、日記を書いたりした。最高の贅沢。

昨日の夜行ったカフェでコーヒーを飲みながら一旦休憩。コーヒーが出てくる前にまたRakiをくれた。さすがにきついけど日本魂、いただきます!

夜ごはんはAmalia Homemade Foodへ。
ここは観光客向けのレストランだけど、先日出会ったご夫婦が「とても美味しかった」と言っていたので行ってみることにした。
道端に並ぶテーブルはインスタ映え間違いなしの可愛さ!

セットメニューで、アルバニアの家庭料理を少しずつ味わえるスタイル。昨日からの疲れもあって、ワインは一杯だけ。
レストランでは大きめのグラスに少しだけ注がれていて、これがまた“レストランらしい”。
味も雰囲気も楽しめたけれど、やっぱり私は旅する時は地元の食堂の方が雰囲気も含めて合っている気がする。

お腹がぱんぱんになったので、消化のためにとにかく歩いた。
夜のBeratは昼とはまったく違う顔を見せ、神秘的な空気に包まれていた。
気がつけば、まるで迷子の中毒者のように、どんどん歩いていた。

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6. ベラト~千の窓と、偶然のワイン~

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