12. サランダ ~修羅場カップルとビール3本~
Sarandë(サランダ)は夏になるとビーチタウンとして賑わうけれど、この時期は観光客も少なめ。
今回はホテルを予約した。といっても、フロントにはスタッフが一人だけ。到着時間を事前に連絡しておいたら、階段しかないホテルだったので、そのお兄ちゃんが荷物を運んでくれた。
部屋は今までに比べたら狭かったけど、全然OK、むしろよし!
泊まったのはJonian Boutique Hotel。私が行ったときは3泊で12,000円。やす! でもハイシーズンに調べたらなんと37,000円近くしていた。だから皆さん、絶対オフシーズンがおすすめ!
特にこの地域は”夏で稼ぐぞ”っていうスタンスだから、ハイシーズンは要注意。
まだ静かなビーチタウンを少し散歩。海沿いを歩くと、本当に気持ちよくて、太陽と海風がやさしく体を包んでくれる。無事到着したお祝いに、真っ青なイオニア海を眺めながらカフェでビールを一杯。沖縄やフィリピンの青とも違って、少し緑がかった深い色。うまく説明できないけど、海の豊かさをじんわり感じられた。
静かな時間を過ごしていたら、近くにアメリカ人カップルが座ってきた。しばらく気まずい沈黙が続いたと思ったら、彼女の方が泣き出した。修羅場!聞かないふりしながら、しっかり耳はダンボ。どうやら彼が浮気したっぽい。彼女は大泣きしながら色々訴えていた。せっかくこんな綺麗な異国の街に来ても、解決しないものは解決しないんだなあと痛感。
人に期待しちゃう気持ちは分かるけど、結局期待、執着は百害あって一利なし。私も昔は期待ばかりして、”こんなにやってるのになんで?””相手が悪い””これさえ手に入れば…”なんて思って、勝手に傷ついていた。でもそこから少しずつ抜け出せるようになったら、期待しない分、喜びが100倍に感じられるようになった。自分に対しても同じで、前は”それもできないの!?”って自分に責めてたけど、今は小さなことも喜べる。あぁ、自分も成長したなって思える時間だった。
気づけばカップルはいなくなり、私はいつの間にかビールを3本空けていた。めっちゃ気持ちいい!
お昼はポテチ(ザジキ味)しか食べてなかったから、お腹が空いてきた。
Ada( ジロカストラの時お世話になった宿主)は昔6年くらいSarandëに住んでいて、美味しいお店をいくつか教えてくれた。その中から最初に選んだのはTaverna Fish Filipi。午後5時という早めの時間だったけど、地元のお客さんが結構いて、男性2人組や大家族の姿も。
もちろんワインからスタート!体が野菜を欲していたので、シンプルな茹で野菜と海鮮パスタを注文。野菜はオリーブオイルたっぷりにレモンを絞っただけなのに、体に染みわたるほど美味しい。そしてパスタ!これが本当に最高だった。量はけっこうあったのに、気づけば完食。お腹は幸せいっぱいでパンパン!
夕焼けを見ながら、また海沿いを散歩。静けさの中、波の音が心に響いていた。